椿昇氏の話を聞く

2010年04月18日

 

椿昇氏の話を聞く

↓下記イベントの為、京都へ。

そして・・
楽しみにしていた★椿昇氏の学生さんへの話が・・
とても共感できるものだったので。

僕のメモと記憶が頼りの状態ですが・・
学生さんとのやりとりをUPしておきます。

僕フィルタを通したことで・・
6割位の正確さだと思いますが、ご了承を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●アートで何ができるか

逆にアートで何が出来ないか?
いや何でも出来る様になってきた。
(現に先日参加した六本木アートナイトでは一夜で70万人の参加者!)

それは世界がIT技術の発展によって拡張されたことで
アートの作品の価格決定システムがオープンになり、

・・その上でアートの大量生産に向かない稀少感。
それが投資対象としても魅力的になった事で、
より多くのマネー流入が起きているからだ。

実際に1990年代から2000年の間は・・
現代アート市場が市場としても他に比べて高成長している。

村上隆を知ってるね?(学生に質問)
流石に彼は知ってるね・・

かれは何十億も儲けてる
でも日本では他には数えるほどしかいない。

逆に中国はどうか?
何億円も稼いでいるアーティストがごろごろしている。

よく学校では先生達が”アートで儲けてはいけない”
と言うかもしれないが、それは彼らが儲けた事がないから。

●アートフェア

皆さん、アートバーゼルを知っているか?(学生に質問)
こちらは知らない人も多いのか。

そういったメジャーな巨大マーケット。
これが今や世界の主流になってきている事を知らないといけない。
そしてそれを動かしている人達の事も知らないといけない。

フランソワ・ピノー(仏PPR元会長)
ラリー・ガゴーシャン(ガゴーシャン画廊)
グレン・ロウリー(MoMA館長)
サムエル・ケラー(アートバーゼル設立者)
チャールズ・サッチ(有名コレクター)
・・これらの人達の顔を皆さんはおぼえないといけない。

企業としてはUBS、ドイチェバンク。
こうした企業もアートを会社として応援している事
その事も知らないといけない。

日本のインチキ美術館は自分の作品を持たず
借り物ばかりだが・・

こうした海外の美術館やコレクター達は・・
自分で目利きして自分で作品を購入し、
それを高く売っているのです。

誰の作品を購入するか?

日本の社長の様に評価の定まった有名作家の作品ではなく
皆さんのような若い作家さんの作品を購入するのです。

●アジアの現状

では・・
イギリスのセントマーチンでの展覧会を紹介しましょう。

面白い作品が多いでしょ?でもこの学校にはもはや・・
日本人の留学生はいません。
目立つのは中国や韓国人です。

なぜなら、この学校を卒業して母国に帰れば・・
彼らはそれだけで就職口があるのだけど、
日本では無理です。

日本国内ではアート業界は中途半端な保護のおかげで、
今や絶滅危惧種になってしまっているのです。

何となく作品を作って、
それで何となくやってきてしまった。

だから昔の成功したアーティスト達は・・
海外に出て、自分自身で努力するしかなかった。

●これから皆さんはどうするべきか?

だから、皆さんは作品を作るにあたって、
上海、ロンドン・・世界を見なければならない。

そういった海外のアーティストとリンクして
仕事をしていかなければならない。

ひきこもっていては駄目なのです。
孤立したり、待っていては駄目なのです。

よく大学の先生方は”コンセプト”を求めるが、
そんな事には意味はない。

それより”スコープ&シーケンス”が大切。

アーティストがスナイパーだとしたら、
何を自分は狙って、その為に何をしているか。

作品のクオリティに関して、日本の作家のレベルは高い。
しかし”作品をプレゼンさせる”何を伝えるかの気迫が違うのです。

この中で上海万博に行く人?
全然いないのか・・

そんな事では駄目だ。
大学の拠点として上海とロンドンを準備しています。

僕は厳しいですから、誰でもというわけでないですが・・
ある程度の準備が出来ているという子には声をかけています。

是非一緒に海外に行きましょう。
中国なんて東京に行く値段、4~5万あれば行けるし、
ロンドンでも安ければ6万円位でいけるのだから。

★質疑応答への返事

Q:海外留学を考えているのですが、周囲が様々な事をいうので・・
自分の考えが混乱してきました。どうしたらいいでしょう。

A:実際に留学している人、ベルギーアントワープ校のナカザト君を紹介します。
後でアドレスを教えるので直接コンタクトする事。
いいですか、関係ない人の意見は聞かなくていいのです。

Q:京都から東京にヒッチハイクした事で様々な体験をした事で、
現在、大学を休学してそれをアートイベントを通じて伝えたいと考えています。
どうしたらいいでしょうか?

A:ヒッチハイク!その体験はとてもいい事だと思います。
でも、同じような事をしている人は沢山いるので・・
それだけでは少し弱いと思います。例えばカタツモリと競争したとかなら、
話は別なのですが。アートイベントをするのは少し先でいいと思います。

Q:京都造形では学生達でアートオークションをしていて、
自分はそこに家族や周辺の人たちを呼びたいのだけど。
高校の美術の先生には・・
”せっかく大学に合格したのだからお金よりもっと大切な事をしなさい”
”絵とご飯を比べて、絵を選ぶ人でないといけない”と言われています。

A:はじめに、アートオークション自体は僕が責任者になったら中止させます。
何故ならセカンダリーマーケットであるべきなのが・・
国際ルールなのに、それを破ってしまっている。
(そんな事もしらないのが日本のレベルというわけですが)

さておき、僕はご飯も作品も両方大切です。それが自然じゃないですか?
むしろそう言った我慢する日本の感覚こそが不自然だと思います。

好きな色を使って、わくわくしながら描いた作品。
その方が絶対に魅力的な作品になると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上。(思い出したら追記します)

初めて直接、話しを聞いたのですが・・

真剣に聞き入る大学の1年生達に混じりながら・・
”いい先生だな・・”と学生さん達が少し羨ましく。

ぶっきらぼうに振舞おうとしていましたが。
あらためて記すと、学生達への誠意が感じられますね。

そうした事を・・

現在の不自然な日本のアート業界は・・
”自分も含めた芸大のせい”として

”だから罪ほろぼしを今している”
なんて言う所もただズバズバ言うだけでなくて、好感を覚えました。

★椿昇氏
http://unboy.org/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%BF%E6%98%87


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Posted by スナ@伝書鳩 at 00:18│Comments(0)開催イベント報告
 
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